○はじめに
近江鉄道は、滋賀県内の湖東平野を走る全長59,5kmを有する純民鉄で100年以上の歴史を有する老舗の鉄道会社であり、
創業時の社名が一度も変わっていない鉄道事業者としては最も古い。
本業の鉄道事業ですが、所有車両数は前後あるものの現役で走れるものはおよそ35両。駅数は、29駅となっている。
バス事業は、ご多分に漏れず鉄道線の防衛や利用者向上を目指しはじめたものの、歴史上の経緯などもあり、
ほぼ県内全域に展開し、鉄道事業を車両数乗務員数など軽く凌駕する。
そのほか滋賀県の主に湖東地方(湖東町にあらず)の有力企業として、滋賀県全域に各種事業を展開しているほか、大規模ではないもの県外活動も行っている。
また、車両を見てもらうと解るとおり、戦時中に今の西武鉄道を築いた、堤康次郎氏が運営する箱根土地の系列になり、現在に至っている。

○鉄道のはなし
比較的鉄道整備の早かった、湖東地域のなかで、豊郷町や五個荘町、日野町といった近江商人をはぐくんだ町や、
本線米原〜五箇荘中山道から外れた町(五箇荘で離れ、八日市線武佐で中山道を越す)に鉄道を通すためや多賀参拝などから、
地元有力者が1893(明治26年)年11月に、時の逓信大臣に創立願いを提出している。
その後、1896年(明治29年)6月11日付けで免許交付がされている。尚、免許交付と同日が会社の創立日とされている。
第一期開業区間として1898年(明治31年)に彦根〜愛知川と愛知川〜八日市7,4kmが開業したのを手始めに、
順次開業しもしくは合併していき、現在の路線網が築かれた。
また、この間に鉄道線のほかにも、バス事業などその他ほかの事業も始めている。
この辺りは別表にまとめてあります。
その他、近年の傾向として、車両の冷房化。本線の重軌条化。PC枕木化。コンクリ架線柱化。駅舎の改良もしくは、自治体施設との統合などなど近代化工事が進んでいる。

○会社の歴史(主要な出来事)
年月日 内容(こちらの開業区間はおおむね現在のもの。) 路線区間(こちらの開業区間は書類によるもの) マイル/キロ程 種別
建設 営業
明治26.11 地元有力者が、時の逓信大臣宛に創立願いを提出
明治27年7 彦根ー八日市−甲南仮免許 彦根−八日市−深川間 26M00C 仮免許
明治29.6.11 近江鉄道株式会社創立
彦根−八日市−深川間免許 
彦根−八日市−深川間 27M45C 免許
明治31.6.11 彦根−愛知川間開業(1067mm蒸気)  彦根−愛知川間 7M42C 開業
明治31.7.1 郵便物輸送開始
明治31.7.24 愛知川−八日市間開業(1067mm蒸気) 愛知川−八日市間 4M31C 開業
明治33.10.1 八日市−日野間開業 八日市−日野間 7M60C 開業
明治33.12.28 日野−貴生川開業(現、草津線との併走区間修正) 日野−貴生川間(関西鉄道との併走区間修正) 6M11C 開業
明治37 近畿地方鉄道合同問題に関連し、関西鉄道と合併交渉(不成立)
明治39 国有鉄道法に基づき、近江鉄道買収対象候補(後年、削除)
明治41.12.31 蒸気式気動車導入
明治44.9.30 近江八幡−新八日市間 鷹飼−八日市間(湖南鉄道) 5M32C 免許
大正1.4.8 湖南鉄道株式会社設立
大正1.9.12 高宮−多賀間(多賀軽便鉄道) 1M70C 免許
大正2.12.29 湖南鉄道近江八幡−新八日市間開業(1067mm蒸気) 新八幡−八日市口間 5M32C 開業
大正3.3.8 多賀軽便鉄道が免許を無償譲渡し高宮〜多賀間開業
高宮−土田ー多賀大社前
高宮−多賀間 1M42C 開業
大正8.7.1 湖南鉄道八日市口停車場、新八日市停車場に改称
大正12. 彦根〜多賀電化工事認可
大正13.7.25 八日市口〜山上(現永源寺町山上付近) 8,3km 免許
大正14.3.12 彦根〜多賀600V電化 
新造電車5両投入(電1形1〜5 大正14年加藤車両製造)
大正15年10 全線電化に向け宇治川電気の系列になる
大正15 米原−彦根間免許 米原−彦根間免許 5,8km 免許
昭和2.1.27 湖南鉄道。大津電車軌道、太湖汽船と合併。
琵琶湖鉄道汽船株式会社となる
昭和2.8.2 八日市−大津間 八日市−大津間 免許
昭和2.8.2 米原− 坂田郡米原町−犬上郡青波村間 8,30km 免許
昭和3.4.18 高宮〜貴生川1500V電化
彦根〜多賀1500Vに昇圧
新規電化及び昇圧に伴ない、宇治川電気直営の
神姫電鉄(現、山陽電気鉄道)より購入
閉塞方式を票券式から通票式に変更
昭和3.10.11 貴生川〜伊賀上野免許 貴生川村−三重県阿山郡上野町間
昭和4.2.1 琵琶湖鉄道汽船京阪系列編入に付き解散。
同八日市線は都合により分離独立し、八日市鉄道発足
昭和5.9.21 八日市鉄道内燃動力併用認可
昭和5. バス事業開始
昭和5.10.1 八日市鉄道、新八日市〜飛行場(御園)開業
新八日市−八日市中野−飛行場
昭和6.3.15 米原〜彦根 米原〜彦根 5.8km 開業
昭和6.9.1 八日市鉄道八日市中野−飛行場間に河合寺停車場開業
昭和10.6.17 飛行場〜山上(八日市鉄道)
昭和10.8.10 多賀線土田停車場休止
昭和18.5.10 電力事業分離に伴ない箱根土地(現、コクド)の系列になる
昭和19.3.1 国政により(交通統合政策)、八日市鉄道合併 近江八幡〜飛行場 合併
昭和19.4. 国政により、周辺バス事業合併開始
昭和21.8.2 八日市〜新八日市開業(連絡線) 0,61km 0,60km 開業
昭和23.8.1 新八日市〜御園休止 新八日市〜御園 2,8km 休止
昭和28.10. 多賀線土田駅廃止
昭和33.12.3 貴生川〜伊賀上野 24,9km 失効
昭和35 住友セメント関連貨物輸送開始(多賀工場〜彦根工場)
昭和39.10.10 新八日市〜御園廃止 新八日市〜御園 2,8 廃止
昭和47. 列車運転速度向上 彦根〜近江八幡70km その他60km/h
昭和47.7.8 米原〜近江八幡自動閉塞化(ARC)
昭和47.10. 貴生川中継貨物廃止
昭和51.5. 多賀線ワンマン化及び自動閉塞化
昭和58.10.1 キリンビール貨物廃止
昭和59.2.1 郵便輸送廃止
昭和59.4.1 手・小荷物輸送廃止
昭和61.3.27 住友セメント関連輸送廃止
昭和61.4.1 八日市〜貴生川レールバス運行開始
同区間レールバス運行開始につきワンマン化
日野車庫開設 水口変電所休止
昭和62.5.1 全線ワンマン化に伴ない、残りの区間も自動閉塞化 
昭和62.12.20 八日市〜貴生川自動閉塞化
これにより、タブレット閉塞の取り扱い終了。
昭和63.3.12 鳥居本〜彦根貨物輸送終了
これにより、貨物輸送全廃
平成1.4.5 水口松尾/水口城南駅開業
どちらも一面一線。
平成2.3.7 全線に自動列車停止装置(ATS)導入
ただし、このときは、誤出発防止と終端滑走防護機能のみ
平成2.3.29 大学前駅開業 一面一線。
平成3.3.16 京セラ前駅開業 一面一線。
平成4年度 大型車入線に伴ない、ホーム端等より軌道中心までの距離変更。
1,422mm→1,500mm
平成4. 第2第4土曜日のみ使用可能な一日券発売
(後に全土曜日→土日祝と変化)
平成7. CTCセンター開業(八日市駅構内)
平成8. 八日市線PRC化 八日市線大型車入線
平成9. 八日市線近代化及び輸送力増強工事終了
これにより、八日市線完全ATS化
平成10.3.30 八日市線快速運転開始
平成10.4.1 多賀駅→多賀大社前駅/太郎坊→太郎坊宮前
両駅名改称。
平成10.6.11 近江鉄道開業100周年
これに伴ない記念電車700系あかね号運行開始及び
八日市新駅舎完成。 
平成10.8 17〜23日佐和山トンネル補修工事のため終日バス代行輸送
工事完了に伴ない本線初の50kgNレール導入
平成10.後期 本線建築限界改良工事開始 
本線輸送力増強及び設備近代化工事開始
平成11.7 本線建築限界改良工事終了 
これにより大型車入線(当初、朝の一往復)
平成11 米原〜八日市完全ATS化
平成12 八日市〜貴生川完全ATS化
平成14年 尼子駅改良 一面一線 → 一面二線
平成15.3.15 ダイヤ改正 
新幹線連絡切符発売開始これに伴ない、
朝上り1本の本線快速運行開始
(この快速は、一時、休日は八日市止めになるなどしたものの
2004・3・13〜終日に戻り昼に変更された。)
平成15.11末 809編成運行開始
平成16年度 彦根駅東口再開発事業(事業主体:彦根市)による電車区縮小準備開始
平成16年度末 810編成運行開始
平成17.3. ダイヤ改正、フジテック前駅開業と本線快速の停車駅および運行日見直し

本線快速は貴生川→水口/彦根→米原間が各駅停車に。
また、土・日・祝日の運行は取りやめになった。

八日市線快速は近江八幡発の快速は八日市止に、
米原発近江八幡行快速は八日市駅で運用上分断し、快速の停車駅を統一。

また日中の本線、高宮-八日市間で減便が行われた他、
米原-多賀直通運行がふえ、終日大型車が多賀線に入線するようになった。
(多賀線の基本は単車であることは変わらず)
平成18年度末 彦根市築城400年祭開催にあわせ彦根駅東西連絡通路供用開始
(東口の北側階段は一時利用にとどまる)
平成19.6.1
(予定事項)
かねてから移設工事中のフジテック前(梅ヶ原架道橋付近)-米原間の
新線と本線接続工事等により同区間が同日付でバス代替輸送に切り替わる
工期は同年6月7日までの予定。
米原-フジテック間 付け替えによる廃線
平成19.6.8
(予定事項)
上記工事区間完了に伴い旧線区間が廃止、同時に新線区間開業予定
米原-フジテック前 付け替えによる開業
#管理者より:曖昧な部分は今後も調査していきたいと思いますので、しばらくお待ち下さい。
 表中で誤り等ございましたら、メールか掲示板にてお願い致します。事実確認が済み次第、加筆訂正を行いたいと思います。

○輸送
平成10年度の乗車人員は419,4万人と、最大輸送量を誇った時期に比べ半分以下になっていると共に、
最大輸送時の貨物輸送による収入は0となっていることや、減少する乗客等あり、厳しい経営となっている。
その厳しい状況下での、設備の近代化や設備投資をしているという現状にある。
乗車人員で一番多いのは、近江八幡。続いて八日市、彦根、貴生川、愛知川、日野…と続く。
中でも、近江八幡と八日市の乗降人数が抜け出しており、八日市線の近代化輸送力増強を急いだ背景もうかがえる。
ただ、八日市線とて最大を記録した時に比べかなり減っており、またJRと平行している事や近江鉄道に乗らなければならない理由が少ないため、路線長の割に、厳しい状況にある。

○ダイヤについて
概ね米原〜近江八幡が30分/1本 その他が1時間/1本になるが、日中のみ水口(一部日野)〜貴生川の区間便が存在する.。
当初華々しく登場した快速は、新幹線連絡を除き、八日市〜近江八幡の一往復のみと寂しい状況になっている。(近江八幡→八日市から普通彦根と八日市→八幡)

○車両等
昭和50年代後半ごろまで種々雑多な車両が走っていた近江鉄道も次第に淘汰され、
現在は大型車と呼ばれる元西武401系を種車とする20メートル級3扉2両固定編成の系列と
16メートル級の旧規格の狭幅の単車と呼ばれる一両編成に整理されている。
ただ、若干足りず、17メートル級狭幅の500形2両固定×3の中から何編成か入ることが多い。
全車空気バネ車で、大型車は中空軸平行カルダン。ほかは吊り掛け。冷房者は500形のみ付いていない。
詳しくは、私のHP近江鉄道の部屋の車両概要を見てほしい。

運用については、基本的に単車は八日市線には入線しない傾向にあるが、2004/3/13改正から平日1運用。休日2運用が再び登場した。
多賀線はよほどのことか臨時列車でもない限りはすべて単車である。
ほかの区間は単車と大型車が入り混じっている。
ちなみに、あかね号の制約はなく、多賀線には基本的に入らないものの、ほかの線にはどこでも入線する。
車庫については、彦根・日野の二ヶ所となっているが、日野はレールバス用のため、実際は彦根だけである。

○バスのはなし
実は…詳しい歴史などはわかっていなかったりするんです。(あかんタレな管理者で申し訳ない)<BR>
ええと、後ほど調査します。重ね重ねお詫びいたします。
解る範囲でですが、昭和5年に鉄道防衛から、開業したのが始まりとされる。
その後、戦時統合などから周辺のバス事業を買収統合し、昭和20年代後半〜30年代に大幅に事業拡大し、
順調に推移したものの、モータリゼーションの波に押され、鉄道とともにバス事業も旅客減少に悩ませるようになったため、
ついに、子会社化されることになり『近江バス』が創立した。
その後、直営に戻り『近江鉄道株式会社自動車部』となった。
昭和40年代ごろに、京阪支社が出来、京阪方面(文字通り、京都と大阪)で観光バス事業を始めているほか、ほぼ同時期に名古屋にも進出している。
このころのバス事業がもっとも華やかなころで、長浜に営業所の新設なども行われたほか、
京阪三条、敦賀港などと県外にも路線を伸ばした。
しかし、その後、県内の事情や不景気など内外の情勢に影響を受け、自治体運行を引き受ける『湖国バス』の新設や車両の小型化が進み、
2003年度末で、京阪支社のバス事業を廃止している。
ただ、滋賀県内の様々な要因が影響し、西高東低の輸送量になり、車両格差が大きい。

現在の営業範囲ですが、観光バス専業の名古屋営業所のほか、県内に長浜・彦根・八日市・あやめ・大津の各営業所を持ち、
甲賀郡や湖南地域。湖西方面の一部を除き、滋賀県全域で、一般路線バス、貸切事業、定期観光バス、東京方面高速バス、コミュニティなどの営業を行っている。
県外への路線バスは、季節運行の京阪三条線が下り(三条行)1便。ジョイ伊吹−名神関ヶ原間1往復となっている。

車両数は県内外含めて約250両(年度によって変動)とのこと。

○そのほかの事業
┗広告センター(鉄道および沿線広告。バス車両および施設広告など)
┗タクシー/ハイヤー(滋賀県内6社および大阪)
┗直営旅館業(彦根プリンスホテル、ホテルフレアール和泉、伊吹高原ホテル)
┗国民宿舎事業(混合輪寺荘、かもしか荘、余呉湖荘)
┗スキー場(伊吹山スキー場、函館山スキー場、国境スキー場、福井和泉スキー場)
┗ボウリング場(近江ボウルプラザ、近江ボウルあどがわ、近江ボウル石山)
┗飲食業および関連事業(奥琵琶湖ドライブイン、奥琵琶湖樹木園レストラレストラン賤ヶ岳レストラン)
┗各種鋼索鉄道(八幡山ロープウェイ、賤ヶ岳リフト)
┗びわ湖遊覧船(高速船わかあゆ号)
┗旅行業(オーミグリーンツアーなど)

重要:非公式ページに付き、近江鉄道への問い合わせお断り

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